腕時計のムーブメントとは?種類の説明からオススメ腕時計を紹介!

2021年7月2日
腕時計のムーブメントとは?種類の説明からオススメ腕時計を紹介!

ムーブメントとは、針の動きや日付の変更といった腕時計の駆動をつかさどる部分です。車に例えるとエンジンのような働きをしています。

ムーブメントは、大きく分けてゼンマイで動く機械式と電池で動くクォーツ式の2種類です。今回は、各ムーブメントの特徴とオススメのモデルを紹介していきます。

【機械式ムーブメントとクォーツ式ムーブメントの違いとは?それぞれの特徴】

腕時計のムーブメントには、機械式クォーツ式があります。ここでは、2つの違いや特徴を説明していきます。

■機械式ムーブメントとは?メリットとデメリット

機械式ムーブメントの動力源はゼンマイです。一度巻きあげたゼンマイが戻る力を利用して歯車を動かします。

ガンギ車が回転すると針などを動かす様々な歯車も回りだします。ゼンマイの力で回り続けようとするガンギ車をアンクルと呼ばれる爪が2本付いたパーツを制御することで、一定の間隔で歯車を回し続けることができます。

手巻き式ムーブメントは、リューズを回してゼンマイを巻きあげなければなりません。自動巻きムーブメントは、腕の動きに合わせてローターが動きゼンマイを巻きあげます。

機械式ムーブメントはオーバーホール(分解掃除)等のメンテナンスを定期的におこなえば、長期間使い続けることも可能です。一方で、歯車を組み合わせて作るので手間がかかり高価になる傾向があります。

■クォーツ式ムーブメントとは?メリットとデメリット

クォーツ式ムーブメントの動力源は電池です。水晶振動子(クォーツ)に電圧を加えて起きた振動を、IC(集積回路)で電気信号に変換してモーターを動かします。

時計の精度を決めるのは振動数です。機械式ムーブメントより振動数が多いクォーツ式ムーブメントは、高い精度を保ち続けることができます。

■機械式ムーブメントとクォーツ式ムーブメントは針の動きが違う!

機械式ムーブメントとクォーツ式ムーブメントの大きな違いは、秒針の動き方です。機械式ムーブメントは、秒針がスムーズに動く「スイープ運針」を採用しています。

クォーツ式ムーブメントが採用しているのは、秒針が1秒刻みで動く「ステップ運針」です。カチカチと動く、機械的な動きが特徴になります。

クォーツ式腕時計の針は、機械式腕時計の針に比べて短く薄いのが一般的です。近年は針に軽い素材を使用して、太く長い針にしているモデルもあります。

【ムーブメントのデザインも楽しむ!機械式ムーブメントを搭載したモデル8選】

ここでは、機械式ムーブメントを搭載したモデルを紹介していきます。ゼンマイを巻きあげてから動き続ける時間を示すパワーリザーブにも注目してください。

機械式ムーブメントを搭載したモデルは、シースルーバック構造や文字盤がくり抜かれたデザインを取り入れていることが多くなっています。ゼンマイや歯車の動きを楽しむことができます。

■オリエント スケルトン WZ0041DX

オリエント スケルトン WZ0041DXの仕様:

直径:45mm

ケースの厚さ:10.6mm

重さ:69g

ムーブメント:手巻き(キャリバー 48E51)

パワーリザーブ:50時間以上

防水:5気圧(50m)

オリエントは、1901年に日本で創業しました。1973年から登場した「46系」は、オリエントの中心的なムーブメントです。

ムーブメントを表側からも裏側からも楽しめるスケルトンは、1991年に登場しました。オリエントのムーブメントは、パーツ数が少なく独特の抜け感を楽しめます。

オリエントのムーブメントは、抜け感を生み出すために歯車の数を少なくしているのも特徴的です。ハック機能が付いたリューズは、スケルトン独自のものになっています。

WZ0041DXは格子模様が、はいったホワイトの文字盤を取り入れたモデルです。ブルーの針とシルバーのインデックスを組み合わせています。

■オリエント スリムスケルトン RK-HJ0001S

オリエント スリムスケルトン RK-HJ0001Sの仕様:

直径:41mm

ケースの厚さ:10.8mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー F7F62)

パワーリザーブ:約50時間

防水:5気圧(50m)

スリムスケルトンは、薄型のケースが特徴的なシリーズです。文字盤の一部からオリエントのムーブメントが見えるデザインになっています。

RK-HJ0001Sは、シルバーの文字盤にブルーの針とシルバーのインデックスを組み合わせたモデルです。9時の位置からオリエントのムーブメントの一部が見えます。

■IWC ポルトギーゼ クロノグラフ IW371446

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ IW371446の仕様:

直径:40.9mm

ケースの厚さ:12.5mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー 79350)

パワーリザーブ:約44時間

防水:3気圧(30m)

IWCは、1868年にアメリカ人技師がスイスで創業しました。IWCのムーブメントは、永久修理できるのが特徴になります。

多くのブランドは部品や製造方法を保管するコストを考えて修理期間を設けていますが、IWCのムーブメントは創業当初のものから修理が可能です。

安定性を重視したIWCのムーブメントは、他のブランドに比べて大きい傾向があります。1939年にポルトガル人商人の依頼を受けて作られたポルトギーゼは、波の揺れに負けない大きな文字盤が特徴的です。

IW371446は、シルバーの文字盤にブルーの針を組み合わせています。ブルーのアリゲーターストラップも鮮やかです。

時間計測に役立つクロノグラフ機能を搭載しています。12時の位置に付いているのは、30分積算計です。

■IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ IW377710

IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ IW377710の仕様:

直径:43mm

ケースの厚さ:15.4mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー 79320)

パワーリザーブ:約44時間

防水:6気圧(60m)

パイロット・ウォッチは、1936年に軍人パイロット向けに誕生しました。視認性の高さと耐磁性を備えた腕時計になっています。

腕時計の扱いに注意したいことは、金属に磁気を近づけるとしばらくの間金属が磁石のような力を持つ磁気帯びです。IWCのムーブメントは、磁気に強く精度をたもちます。

IW377710は、ブラックの文字盤にホワイトの針とインデックスを組み合わせたモデルです。日付と曜日は、3時の位置に表示されます。

スモールセコンドは、9時の位置です。クロノグラフ機能に使用する30分積算計と12時間積算計もついています。

■グランドセイコー メカニカル SBGR315

グランドセイコー メカニカル SBGR315の仕様:

直径:40mm

ケースの厚さ:13mm

重さ:156g

ムーブメント:自動巻き(キャリバー 9S65)

パワーリザーブ:約72時間

防水:10気圧(100m)

グランドセイコーは、1960年に誕生したセイコーの派生ブランドです。セイコースタイルと呼ばれる独自のデザイン理論を取り入れています。

グランドセイコーのムーブメントは、高い強度と軽さが最大の特徴です。グランドセイコーのムーブメントには、精度などの水準として独自の規格を定めています。

SBGR315は、シルバーの文字盤にブルーの秒針を組み合わせたモデルです。日付表示窓は、3時の位置についています。

■タグホイヤー カレラ WAR211C.BA0782

タグホイヤー カレラ WAR211C.BA0782の仕様:

直径:39mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー5)

パワーリザーブ:約38時間

防水:10気圧(100m)

タグホイヤーは、1860年にスイスのサンティミエで創業しました。タグホイヤーの中心的なムーブメントが、キャリバー5になります。

キャリバー5は、ムーブメント製造を専門とするセリタ社のムーブメントを基に作られました。日付表示窓は、3時の位置に付いています。

カレラは1964年に「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」というロードレースなどから、インスピレーションを得て登場したシリーズです。WAR211C.BA0782は、ブラックの文字盤にシルバーの針とインデックスを組み合わせています。

■タグホイヤー フォーミュラ1 WAZ2113.BA0875

タグホイヤー フォーミュラ1 WAZ2113.BA0875の仕様:

直径:41mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー5)

パワーリザーブ:約38時間

防水:20気圧(200m)

フォーミュラ1は、F1からインスピレーションを得て1985年に誕生したシリーズです。ブランドで唯一リューズにタグホイヤーのロゴが印字されています。

WAZ2113.BA0875は、ブラックの文字盤にホワイトのインデックスを組み合わせたモデルです。ステンレススチール製のケースに回転式ベゼルが付いています。

■オメガ シーマスター ダイバー 007エディション 210.90.42.20.01.001

オメガ シーマスター ダイバー 007エディション 210.90.42.20.01.001の仕様:

直径:42mm

ムーブメント:自動巻き(キャリバー オメガ8806)

パワーリザーブ:約55時間

防水:30気圧(300m)

オメガは、1848年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで創業しました。オメガのムーブメントの特徴は、コーアクシャル機構です。

機械式時計は、使い続けるとアブラが切れてパーツが摩耗します。通常の機械式ムーブメントは、アンクルの爪が2本です。

コーアクシャル機構を備えたムーブメントは、アンクルの爪が3本あります。ガンギ車の回転を抑える際に生じる摩耗が少なくなるので、各パーツの摩耗を減らすことが可能です。

コーアクシャル機構を備えたムーブメントは、通常の機械式ムーブメントに比べてオーバーホールをする回数が少なくなります。コーアクシャル機構を備えているのは、オメガのムーブメントだけです。

本格的なダイビングウォッチであるシーマスターは、1995年から映画「007」の主人公ジェームズ・ボンドが身につけるようになって有名になりました。

210.90.42.20.01.001は、2021年頃に航海予定の映画「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」に登場するモデルです。

ブラックの文字盤に、オレンジの蛍光塗料を組み合わせています。ケースとブレスレットは、軽くて丈夫なチタン製です。

ベゼルに付いた逆回転防止ベゼルは、潜水時間を測るときに使用します。時計内部に溜ったヘリウムを放出するヘリウムエスケープバルブもついているので、飽和潜水も可能です。

【高性能!クォーツ式ムーブメントを搭載したモデル2選】

現在販売している腕時計の95%以上は、クォーツ式です。時計の精度が高く大量生産が可能なことが主な理由になります。

ここでは、クォーツ式ムーブメントのオススメモデルを紹介していきます。高い性能を誇る日本製の腕時計に注目してください。

■グランドセイコー SBGV245

グランドセイコー SBGV245の仕様:

直径:40mm

ケースの厚さ:11.8mm

重さ:101g

ムーブメント:クォーツ(キャリバー 9F82)

防水:20気圧(200m)

SBGV245は、グレーを基調とした落ち着いた色合いが特徴的なモデルです。ストラップは、グランドセイコーで初となるコーデュラファブリックを採用しています。

グランドセイコークォーツ式ムーブメントは、機械式時計のように力強い動きをするのが特徴のひとつです。短針、長針、秒針が独立して回転する構造を取り入れているので、それぞれの針が滑らかな動きになります。

グランドセイコークォーツ式ムーブメントは、世界で初めて瞬時に日付が切り替わる仕組みを作りました。

グランドセイコークォーツ式ムーブメントは、世界で初めて瞬時に日付が切り替わる仕組みを作りました。グランドセイコーのムーブメントは、手作業でつくられているのが特徴です。

■ずっと使い続けられる!ソーラー電波時計

電波時計は電波局から発せられた標準電波を自動で受信して、カレンダーや時刻を修正する機能です。秒単位で修正するので、電波時計はムーブメントの中でもっとも正確だといえます。

電波時計のムーブメントは、クォーツ式です。最近は光をエネルギー源に変えて動く、ソーラー充電式の電池と組み合わせています。

■シチズン アテッサ AT9096-57E

シチズン アテッサ AT9096-57Eの仕様:

直径:42.7mm

ケースの厚さ:10.8mm

重さ:87g

ムーブメント:ソーラー充電(キャリバー H820)

駆動時間:パワーセーブ作動時約8か月

防水:10気圧(100m)

シチズンは、1976年に世界で初めてアナログ式太陽電池時計を発表しました。エコ・ドライブは、1996年に日本の腕時計で初めて「エコマーク認定」を受けています。

AT9096-57Eは、ブラックの文字盤チタン製のケースとブレスレットを組み合わせたモデルです。世界4エリアから自動で電波を受信できます。

リューズを引いて都市を選択するだけで、選んだ都市の時刻と日付に合わせることが可能です。2つの時間帯を単独で操作して、メインタイムとローカルタイムを簡単に入れ替えることができる「ダブルダイレクトフライト機能」を搭載しています。

【まとめ】

今回は、ムーブメントの特徴の説明とオススメのモデルを紹介しました。機械式腕時計は、ムーブメントの美しさが魅力です。

クォーツ式腕時計は、精度の高さと気軽さが理由で世界中に広まりました。腕時計を選ぶ際は、ムーブメントの種類にも注目することをオススメします。

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