歯車とゼンマイが織りなす小宇宙!機械式時計の魅力

2019年8月14日
歯車とゼンマイが織りなす小宇宙!機械式時計の魅力

いくつもの小さな部品によって組み立てられた機械式時計には、とても奥深い魅力を感じます。なぜなら、そこに内包されている機能美や歴史的な背景に魅了されてしまうからです。ゼンマイと歯車によって、時を刻む複雑怪奇な工芸品はそれ自体が小さな宇宙であり、見ていて飽きることがありません。そんな機械式時計の頂点に立っているのが高級ブランドによるこだわりの腕時計です。そこで、この記事では世界的に有名な時計ブランドをいくつか挙げながら、それぞれの魅力がどこにあるのかについて考えていきます。

機械式時計

 

堅牢性の高さと無駄を廃したデザイン!機械式時計としての高い完成度を誇るロレックス

ロレックスは、数ある高級ブランドの中でも特に人気が高く、私たちの多くは成功の証としてその時計を手に入れたいと考えています。なぜ、そこまで高い人気を誇っているのかというと、個人的に強く感じるのはその完成度の高さです。ちなみに、ロレックスには「オイスターケース」「自動巻き機構」「デイトジャスト機構」という機械式時計の歴史に名を刻む3つの発明をしたという事実があります。そうした背景もさることながら、よりロレックスが名声を不動のものにしているのは、多少のことでは壊れない堅牢性の高さがあるからではないでしょうか。

機械式時計ロレックス

それに加え、ロレックスにはデザイン性の高さがあります。とはいえ、その外観は決してきらびやかな華やかさに満ちているというわけではありません。それどころか、華美な装飾は一切なく、まるでシンプルさを極限まで突き詰めていったような姿をしています。それでも、ロレックスのデザインを高く評価されているのは、シンプルであるがゆえに流行に左右されない普遍性を有しているからです。実際、ロレックスの基本的なデザインは50年以上ほとんど変わっておらず、その事実こそがこのデザインが長年に渡って高い支持を得ていることの証左でもあります。

 

定番なロレックス腕時計

 

116610LN
『ロレックスサブマリーナー 116610−LN』はサブマリーナーの中でも定番的モデルとして根強い人気があるモデルです。特色であるブラックダイアルは変色しにくい18ctゴールド製アワーマーカーを採用しています。視認性が高く、長い年月を経ても色褪せない、手作業の文字盤です。ブレスレットは耐久性が高いオイスターブレスレットを採用しています。しかし堅牢なだけでは無く、快適な着用性を持ちウェットスーツの上から装着しても着用感が良いことが特徴です。高精度の時計だけに与えられる、「スイス公認クロノメーター検査」に合格した「キャリバー3130ムーブメント」はロレックス独自に開発した物です。海中での温度変化や衝撃にも強い耐性を発揮します。オイスターケースは牡蠣(カキ)貝の殻を模倣したケースで密閉度が高く、海水の侵入を防ぎ、ムーブメントを守ります。

 

116500 LN
ロレックスから2016年に登場したクロノグラフモデルの新作、「デイトナRef.116500LN White」。Whiteはダイヤル盤が白色のデザインです。前モデルである「Ref.116520」同様の形状の3列リンクオイスターブレスレットやケースを引き継ぎつつ、ベゼルはステンレス製から、ロレックスが特許取得しているブラックセラミック製へと変更となり、耐久性が向上しました。ムーブメントには、衝撃や温度の変化に強く高い信頼性を持つ、自社製造のキャリバー4130搭載。キャリバー4130はスイス公認クロノメーター検査協会によるテストによって、高精度であることを認めるクロノメーター認定を受けています。デザイン性も高く評価されたダイヤル盤は、経過時間表示を行いながら、中央の秒針によって1/8秒の単位で計測が可能です。

 

214270
2010年に登場し個性的なルックスで絶大な人気を集めたロレックス・エクスプローラー214270の新作として2016年に発表されたモデルです。2016年のバーゼルワールドでロレックスが自社内における新たな規定を定めたことを発表した時に新作の一つとして登場し、一躍注目を集めたモデルになります。ケース径は39mmで腕に付けた時に存在感を感じさせる外観になっています。文字盤に配置される針や369をはじめとする全てのインデックスに約8時間発光時間が継続するクロマライト加工が施されていて、暗闇での視認性が高くなっています。カジュアルにもフォーマルにも合う着る服を選ばないデザインで購入価格も比較的手頃なことから、発売当初から根強い人気があります。

 

116710 BLNR
ロレックス116710 BLNRは2013年に発売された当初から絶大な人気を誇り、今もなお高値で取り引きされているモデルです。黒と青のツートンカラーベゼルが採用されていて、そのカラーの特徴から通称バッドマンの呼び名で親しまれています。ベゼルだけでなくGMT針も青で統一したスーツにもよく合う落ち着いたカラーリングが特徴です。また頑丈なケースに現地時間を含む3ヶ国の時間帯を表示できるGMT機能が搭載された機能性と耐久性も兼ね備えていて、各国を飛び回るビジネスマンのよき相棒として重宝されています。現在も価格が高騰している116710 BLNRは2019年に新作が発表された影響により生産終了の噂が濃厚になり、廃盤となった場合は新品・中古市場で更なる高騰が予想されます。

 

116263 WH
ロレックスの中でも唯一回転ベゼルを搭載していたサンダーバードの後継モデルであるターノグラフ。型番116263 WHはそんなデイトジャストターノグラフモデルであり、回転ベゼルをそのまま引き継ぎ、文字盤はホワイトですが、秒針と3時部分のデイト表示、刻まれたモデル名にはレッドが採用されており、それがよりインパクトを与えて映えるカラーとなっています。またステンレススチールとイエローゴールド素材のカラーもアクセントとなっており、自動巻きムーブメントの洗練された逸品となっています。

 

月や深海でも大活躍!機能性とファッション性を兼ね備えたオメガの時計

オメガと聞いて最初に思い浮かべるのは、主力商品である「オメガ・スピードマスター」がアポロの月面着陸の際に携行されたことです。その事実は、オメガがいかに耐久性や耐熱性に優れているかを示しています。しかも、今もなお有人宇宙ミッションにおいてオメガの時計が採用され続けているというのだから驚きです。つまり、オメガの時計は他の追随を許さない高い機能性を長年に渡って維持し続けたということ。そして、それを証明するかのような機能美あふれるデザインにも大きな魅力を感じます。

オメガ シーマスター

一方、ムーンウォッチと呼ばれるスピードマスターに対して、海の中で本領を発揮するのが「オメガ・シーマスター」です。最高峰の防水・防塵機能を誇り、プロ仕様のものでは水深1200mの水圧にも耐えられるほどです。そのオーバースペックともいえる機能性の高さには思わず冒険心をくすぐられてしまいます。さらに、基本的なデザインが変わらないスピードマスターに比べて時代に応じたモデルを展開しているのも商品の差別化という意味で功を奏しているように感じます。

定番なオメガ時計:

311.33.42.30.01.001 オメガ スピードマスター
オメガの「スピードマスター プロフェッショナル」は、月面着陸プロジェクトで使用されたスピードマスターを基礎にしている腕時計です。4つのバリエーションがありますが、黒のダイアルが共通して使われています。型番311.33.42.30.01.001はブラックレザーベルトを使用しており、メンズ向けの雰囲気を際立出せています。ダイアルには3時・6時・9時の位置にクロノグラフがあります。このクロノグラフは、月面着陸時に着用されていたムーブメントと同じ機構になっています。

 

311.30.42.30.01.005 オメガ スピードマスタ
オメガスピードマスタープロフェッショナル 311.30.42.30.01.005は本流のムーンウォッチです。クロノグラフやタキメータースケールなどを組み合わた腕時計で誕生から50年以上ほとんど変わらない仕様です。防水性能は50メートルに強化されているのが特徴でピンはネジに変更されています。暗闇でも時刻などを確認できるようにスーパールミノヴァを採用している商品です。シンプルかつオーソドックスなデザインなので、オンとオフ両方使うことができます。

 

233.20.41.21.01.001
オメガの233.20.41.21.01.001は1957年に発売されたシーマスター300m の復刻モデルとしてリリースされた2014年の新作モデル「シーマスター 300m マスター コーアクシャル」だ。18Kセドナローズゴールドとステンレスのツートーン仕様で、ブラックセラミックベゼルが美しい。シーマスター300m は潜水士や水中で作業するプロフェッショナル向けに特別に設計された腕時計で、15,000ガウス以上の磁場に耐えうる卓越した耐磁性能を備えている。復刻版にはヴィンテージのスーパールミノヴァを塗布した18Kセドナ ゴールドの針、サンドブラスト仕上げのブラックダイアル、ポリッシュ仕上げのセラミック製ベゼルリングやセラゴールド製ダイビングスケールなどがあしらわれている。透明のケースバックからは、耐磁性を備えた最新のマスター コーアクシャル キャリバー8400を眺められるのも素敵だ。

 

世界最古の時計ブランド!卓越した技術力を持つブランパン

ブランパンの創業は、1735年であり現存する中で最も長い歴史を誇る時計ブランドです。小さな工房から始まり、順調に一流の高級時計ブランドの道を歩むことになるのですが、1970年代に突如として危機が訪れます。この時期にクォーツ時計が登場したことで機械式時計は時代遅れのものとなり、多くの顧客が離れて行ってしまったのです。当然、ブランバンも大打撃を受けます。

しかし、ブランパンの魅力は、ここから怒とうの巻き返しを図り、見事にそれを成し遂げたことです。1980年代に入ると、世界で最初のミニッツリピーター、世界最薄のクロノグラフといった具合に、次々と画期的な機能を開発しては機械時計の魅力をアピールし続けました。そして、1991年にはそれらのすべての機能を内包した「1735」を発表します。これが究極の機械時計というべき素晴らしいもので、見るだけでも恍惚とした気分になってしまうほどです。

ブランパン 時計

こうして完全復活を遂げたブランパンは現在でも私たちを魅了する機械時計を発表し続けています。個人的に、お気に入りのモデルを挙げるとすれば、シンプルで洗練されたデザインが印象的な「ヴィルレ ウルトラスリム」や、独特の針の経常が目を引く「ヴィルレ ウルトラスリム レトログラード」です。また、21世紀のスポーツモデルとして発表された「レマン2100シリーズ」といったあたりでしょうか。いずれも、長い歴史を誇るブランパンの名に恥じないものばかりです。

定番なブランパン時計:

ブランパン5015-1130-52
フィフティーファゾムズ5015-1130-52は、ブランパンを代表するダイバーズウォッチです。ブランパンは1735年にスイスで創業された現存する世界最古の時計ブランドで、正確に時を刻む水晶振動子を用いず、ゼンマイバネ式の時計作りにこだわり続ける姿勢が、他の時計ブランドからも一目置かれています。ブランパンがフランス軍の潜水隊向けに開発したフィフティーファゾムズは、水晶振動子の時計に劣らない正確さで、多くの時計ファンから絶大な人気を誇る防水腕時計です。潜水時間を計測するための目盛りを時計の一番外側に持ってくることで視認性とダイバーの安全性を高めており、5015-1130-52は15秒目までを1秒単位で測れるのが特徴です。

 

ブランパン6654-1127-55B
6654-1127-55Bは、ブランパンが生誕した場所を冠しているヴィルレコレクションからリリースされました。古くから天文学と時計製造が関わり合ってきた歴史に基づき、文字盤上に月の周期を再現しています。ムーンフェイズを搭載している点が特徴的です。日数の経過に伴って月の形が変化し、叙情的な雰囲気をプラスしています。また、日付と共に、曜日や月を表示する複雑な機構を備えています。そのため、時刻を把握する時だけでなく、仕事のスケジュール管理にも有用です。

 

機械式高級腕時計の入門編として最適!チューダーとタグホイヤー

チュードル

チューダー代表的なモデルとしては「ヘリテージ ブラックベイ」「ヘリテージ レンジャー」「ペラゴス」などがあります。今でも高い人気を誇っているので、ロレックスが欲しいけれど値段が高くて手が出ないという人にはおすすめです。ちなみに、現在のチューダーは廉価ブランドからの脱却を図り、ロレックスとは別の道を歩んでいます。

そして、その特徴といえるのが、従来の高級時計ブランドにはないカジュアルさです。たとえば、2015年発表の「ファストライダー」はダイヤルカラーが黄色・赤・緑の3色から選べるようになっており、非常にポップ。また、ベルトも実用性重視の金属ベルトだけではなく、革ベルトやラバーベルトを配したカジュアルなモデルも揃えているのがうれしく感じてしまいます。高級時計には興味があるけれど、カジュアルさを取り入れた時計も欲しいという人は一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

定番なブランパン時計:

79030N
重厚感あるデザインが特徴の「ブラックベイ フィフティエイト 79030N-0001」は、スイスの時計ブランド「チューダー」から誕生しました。サテン仕上げされた銀色のブレスレットと、黒色のベゼルやダイヤルとのコントラストがとても美しく、洗練された雰囲気を放っています。このコレクションはチューダーの人気ダイバーズウォッチ「ブラックベイ」シリーズの一作であり、スクリュー式のリューズや高い防水性能を持ち合わせています。本格仕様のダイバーズウォッチでありながら高級感あるデザインが施されているため、フォーマルな場においても身に付けられることが魅力となっています。

 

79830RB-0001
チューダーヘリテージブラックベイGMT 79830RB-0001。1950年代のチューダーダイバーズウォッチから発想を得た、通称「イカ針」のダイアルが特徴。ベゼルにはブラックベイコレクションに共通のカラー、マットバーガンディーとブルーが用いられています。また、両方向回転ベゼルには24時間目盛りが入っており、日中は赤のセクションに、夜間は青のセクションに記されています。ムーブメントには、ブラックベイGMT用として開発された「キャリバーMT5652」を搭載。約70時間のパワーリザーブで、クロノメーター認定を受けています。ブレスレットは、過去の名作を思わせるリベット式でありながら、最新の技術が採用された強靭な造りとなっています。

 

79250BM-0001
チューダーの自動巻腕時計『ヘリテージ ブラックベイ 79250BM-0001』。ヘリテージブラックベイは、ロレックスのサブマリーナを復刻したダイバーズウォッチシリーズ。このモデルはブロンズケースにレザーベルト、ブラウンの文字盤の組み合わせがワイルドで、ノスタルジックな雰囲気を持つ、印象的なデザインです。70,80年代頃の映画の考古学者を思わせるようなデザインが、シリーズの中でも異彩を放っており、ビジネスにもプライベートにも一味違う体験をもたらしてくれる一本です。

 

一方、高級時計の入門ブランドとしておすすめしたいのがタグホイヤーです。

タグホイヤー

スポーティでありながら、ドレスウォッチとしても魅力的なデザインなのがおすすめポイント。タグホイヤー代表的なモデルとしては「アクアレーサー」「フォーミュラー 1」タグ ホイヤー カレラ」などがあります。タグホイヤーは男性憧れの高級時計ブランドであり、特に、初めて高級時計を購入するという人にはうってつけのブランドだと思います。

定番なタグホイヤーモデル:

CAZ1010.BA0842
タグホイヤーフォーミュラー1クォーツ『CAZ1010.BA0842』は、モータースポーツの最高峰のF1にインスパイアされたデザインが魅力のクールな腕時計です。F1というもっとも過酷で厳しい環境に対応できる技術を受け継いだ腕時計は、カジュアルな雰囲気をもちつつもタフさと機能性を備えています。また、コストパフォーマンスに優れていることも人気の理由です。横3連インダイヤルがレーシングウォッチらしいスポーティな印象の腕時計になります。

 

WAR201E.BA0723
通称『カレラキャリバー5デイデイトブルーWAR201E.BA0723』。スポーツウォッチメーカーとしてスタートしたタグホイヤーならではのとてもスポーティな腕時計です。『カレラキャリバー5デイデイト』シリーズの定番はブラックの文字盤でしたが、2015年より登場した、型番『WAR201E.BA0723』では鮮やかなブルーの文字版を使用しています。ブルーの文字盤は、エレガントで洗練されたデザインです。3針モデルに曜日を搭載した『デイデイト』は時間と共に曜日も確認できる優れた機能を持っています。

 

CAW2111.FC6183
憧れの腕時計、タグホイヤーの中でも個性的なモナコ クロノ キャリバー12 スティーブ・マックィーン 『CAW2111.FC6183』。映画「栄光のル・マン」にて、主演のスティーブ・マックィーンが作品中で着けていた伝説のクロノグラフが復刻しました。ケースサイズが若干1mm大きくなったことと、風防がプラスチックからサファイアクリスタルガラスになったこと以外は、オリジナルモデルとほとんど変わりありません。ブルーダイアルと赤い針の美しいコントラストは健在です。ファンに向けたロマン溢れる逸品であることは間違いありません。

 

ブランドの特徴を理解して自分にとって最高の機械式時計を手に入れよう!

ロレックス ヨットマスター

機械式腕時計は、精密な設計に基づいて作られた複雑な機構を有する一種の芸術品とでもいうべき存在です。特に、高級ブランドと呼ばれるものには、はちきれんばかりの魅力がつまっています。ロレックス、オメガ、ブランパンなど、さまざまな有名ブランドがあり、そこから発売されている時計はどれも素晴らしいものばかりです。ただ、安い買い物ではないだけに、欲しいものを片っ端から買うわけにもいかず、どれを選ぶべきかで悩んでしまう人もいるでしょう。そこで、この記事などを参考にしながらブランドごとの特徴や魅力を理解していくことをおすすめします。そのうえで、自分にとっての最高の1本を見つけていきましょう。

参考:

 

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